使用済み核燃料の直接処分コスト試算を隠蔽
新聞報道(毎日新聞2012年1月1日の1面)によると、
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使用済核燃料の
再処理コスト: 約19兆円 に対し
直接処分のコスト試算: 4兆2000億〜6兆100億円
と直接処分の方が 1/3 〜 1/4 と安価である。
しかし上記の直接処分コスト試算の存在は、
2004年4月、
経産省エネルギー庁の原子力政策課長により隠蔽された。
隠蔽により、国内全量再処理の国策が堅持され、
再処理コストは電気料金に上乗せされ国民負担にしわよせされた。
更に、当日の新聞記事から経過を纏めると
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★2004年4月、経産省エネルギー庁の原子力政策課長が
直接処分のコスト試算の隠蔽を指示。
★同5月、経産相の諮問機関
「総合エネルギー調査会・電気事業分科会」の複数の委員から
直接処分のコスト計算を求める意見が出ていたが
分科会の担当課だった上記原子力政策課はコスト試算の
存在を知らせず。
★同6月、分科会は再処理費用19兆円を産業用・家庭用の
電気料金に上乗せする新制度の導入案をまとめた。
★「国内全量再処理」堅持の現行の原子力政策大綱につながる。
隠蔽を指示した当時の原子力政策課長は
現在の経済産業省の安井正也審議官である。
当日の記事から隠蔽の裏付け部分を記す。
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★経産省関係者のメモ:
「部下(メモには実名記載)が昨日、安井課長に試算の存在を
伝えたところ『世の中の目に触れさせないように』との厳命が
下った。」
★部下への取材:安井氏から「試算を見えないところに置いてくれ」と
指示されて、
「目立たないよう他の資料も山積みにしていた
イスの後ろの床の上においた」
と証言した。
★安井氏への取材:「(部下が試算を持ってきたことは)あったかもしれないが
(隠蔽指示は)記憶にない。」と話した。
当日の3面の解説記事より
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2004年
★3月: 社民党の福島瑞穂党首が
「再処理しない場合のコストいくらか」と
参院予算委員会で質問。
日下一正エネ庁長官(当時)が
「日本には再処理しない場合のコストを試算したものは
ない」と答弁。
答弁書は安井課長達が担当。
★7月:直接処分コスト試算の存在が毎日新聞などの報道で判明。
処分:日下長官;訓告
安井課長達:厳重注意
軽い処分の理由:「最近までコスの試算の存在を
知らなかったので故意でも悪質でもない。」
中川昭一経産相(当時)
★今回の隠蔽判明:安井氏が3カ月も前から試算の存在を
把握していた事が判明した。
経産省の再調査は不可欠で、再処分も検討すべきだ。
上記解説記事の中で経産省の体質について
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隠蔽を指示した安井正也原子力政策課長(当時)は
現在、原子力安全規制改革担当審議官という要職を務める。
データ隠しまで行った推進派を規制というブレーキ役の中心に
据えている経産省の姿勢が問われる。
以下は私のコメント
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★原発の安全神話、5重の防御 などの欺瞞は既に表面化したが
今回のスクープのように
経産省は隠蔽、欺瞞がまだまだ多くあるようだ。
メディアも今まで政府の宣伝に騙されてきたが、3・11である程度は
覚醒したようだ。(私も覚醒した。)
今回のようなスクープを今後もぜひお願いしたい。
経産省の中にも、国を思う志の高い人間も少なからずいるはずだ。
多くの組織で
悪貨が良貨を駆逐するというが
行政組織にそれを許してはならない。
悪貨と良貨のせめぎあいは絶えず続いていると思われる。
上記のようなスクープが国民の怒りにつながり
悪貨をくじき
良貨への応援となるよう願う。
★使用済み核燃料の再処理は
単にコストが直接処分より高価なだけでなく、基本的に
技術課題を解決できず、
今後更に国民の負担や苦痛を増していくような気がする。
これに関しては少しづつでも勉強していく予定。