御用学者と詭弁

御用学者は詭弁を操る技術に長けている。
多くのメディアと経験の浅い無知な人々は騙される。
胡散臭い大学教授は世の中にはごまんといるが
無条件に大学教授は偉いと思っている人々は多い。

笹子トンネルの崩落事故に登場する御用学者の用いる詭弁はなにか。
部分的には真実を述べながら巧みに論点をすり替え、
又もっともらしく誤った論理を展開する。

本日は1月26日のプログ
http://d.hatena.ne.jp/reed4491/20130126/1359160159
に記録した御用学者のコメント内容について批判する。

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笹子トンネルの天井板崩落現場では接着剤付きのボルトが見つかっているので
御用学者もこの部分はしっかり説明する。
かつなお、論理のすり替えにこの部分を利用(悪用)する。
本来、ボルト部分の経年劣化に対する脆弱性は設計当初から自明の理で、
この部分は目視では劣化状況が見えないので打音検査を義務付けている。
(公団時代)
中日本は笹子トンネルで民営化後、打音検査をしていない。
中日本も同様の吊り天井構造の他のトンネルでは打音検査をしている。
笹子トンネルは他と比べて天井板からアンカーボルトまでの高さが高く
点検コストが高くなる為、目先利益優先で笹子トンネルでは打音検査を中止した。
技術者の一部は打音検査廃止に反対したと推定するが、
上層部の権力で押し切られたのであろう。
御用学者某はNHK番組で
目視のみの異常な笹子トンネルの点検体制を現状一般と思わせ、
再発防止策として打音導入を提案している。
なんという欺瞞。もともと存在していた検査をさぼっていただけではないか!!

やるべき点検をさぼった事が事故の原因であるのに
ボルトの緩みを事故の原因のように主張するのも詭弁であり欺瞞である。
なぜか??
ボルトの緩みはもともと老朽化の中で仮定されている。

崩落の引き金になる可能性の部位は他にもあり、どの部位が今回の
崩落の原因部位かとの探求する事と、
事故の原因は峻別されなければならない。
事故の原因は、事故防止策の中で探求されなければならない。
事故防止策は効果の見込める点検で老朽化が進行した箇所を見つけ
対策する事である。

不可抗力の事故も存在するかも知れないが
今回の事故は明らかに、人災である。人為的な防止策(有効な打音という点検)を
人為的にさぼった。
アンカーボルト16本がT字型鋼板をトンネル上部に固定しており
ボルト毎に劣化の進行はばらつくので、一番劣化が進んだボルト部分が
緩んで効かなくなっても他の15本(あるいは更に少なくても)で支える事は
出来る。
打音検査とセットで、ある種のフェールセーフ構造になっているともいえる。
繰り返すが事故原因は打音検査のさぼりである。

御用学者は利益を提供してくれる企業を擁護するために詭弁を駆使するが、
質問11と質問1の回答では、自分の責任回避の為にも、更に見苦しい詭弁を展開している。
(これへの詳細批判は後日!)

追加:NHKに多くの質問をさせて自分の都合のいいようにストーリーを
  展開している。質問も事前に誘導している感じがする。
  本来はもっとシンプルで明快な別の質問と解説が期待される。
  NHKもだらしがないとしか言いようがない!