朝日新聞 桑山朗人科学医療部長 反省した振りの詭弁の記事内容

2014年3月15日の朝日新聞3面に載った
科学医療部長桑山朗人氏による記事、「取材重ね検証していきます」 は
反省した振りで詭弁の記事内容。
朝日新聞の社内では問題指摘する人はいないのだろうか?

下に新聞記事のコピーを張り付ける。

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取材重ね、検証していきます STAP細胞論文 科学医療部長・桑山朗人
2014年3月15日05時00分

理化学研究所などの研究チームが、新たな万能細胞「STAP細胞」を作製したとする英科学誌ネイチャーの論文について、データの扱いに問題があったとして、理研の調査委員会が不適切と認めました。研究論文の信頼性を著しく損なう事態です。私たち報道機関も、報道のあり方が問われていると受け止めています。
 論文について、朝日新聞は1月30日付朝刊1面トップで報じ、2面で科学的な成果とその意味、社会面で研究の中心的存在である小保方晴子ユニットリーダーの研究人生なども紹介しました。
 理研の発表を踏まえ、私たちは複数の専門家に論文を読んでもらうなどして、内容の妥当性について取材を進めました。その結果、実験で得られた細胞がこれまでと違う新たな万能細胞の可能性が高いこと、万能性を示す記述も説得力があること、などの評価を得ました。
 英科学誌ネイチャーは専門家による厳しい審査で知られ、掲載率は1割以下です。そうした審査を経て特に注目すべき記事の一つとして扱われたことや、論文に名を連ねている研究者の過去の実績も踏まえ、この論文は信頼できると判断しました。
 しかし、報道後、論文を読んだ別の研究者からデータの使い回しや盗用を疑う指摘が相次ぎました。論文の共著者や、同じ研究分野の専門家などにその指摘について取材を重ねました。その一方で、再現実験を試みている大学の取材も進めていました。そんな中、理研も調査に乗り出し、重大な不備が見つかったわけです。
 私たちは、発表段階で論文の問題点を見抜けませんでした。限られた時間で論文中のずさんなデータの扱いまで把握するのは容易なことではありません。それでも今回の件を教訓として受け止めなければならないと考えています。
 論文が撤回されれば、STAP細胞の存在は「白紙」になります。ただ、理研はまだ、再現実験などでSTAP細胞の存在が確認できれば、改めて論文として世に問いたいとしています。
 STAP細胞が本当に存在するかを見極めるためにも、私たちは再現実験の行方をしっかりとフォローしていきます。また、今回の経緯と問題点の詳細、さらに科学論文のチェック体制など、引き続き取材を重ね、検証していきます。-------------------------------------------------

上記記事を注意深く読んでいけば、
内容が反省した振りで、言い訳に終始し本来反省すべき事柄は皆無で、
詭弁になっている事は明白である。
(桑山氏及び朝日新聞の一部の記者達は本来反省すべき内容が分かっていなくて
結果的に詭弁と感じられる反省記事になっているのかも知れないが。)

記事中で 桑原氏 曰く
私たち報道機関も報道のあり方が問われていると受け止めています。で真の反省を期待するのであるが上記の添付記事で続く部分をトレースすれば
分かるように具体的反省の記述はなく全くずれた内容。

記事内で、発表時点で問題点を見抜けなかった事をくどくどと言い訳しているが
誰も問題点を見抜けなかったわけで
一番同情してもらえるところに一般読者を誘導する詭弁の一種。
そればかりか論文の問題点を見抜けなかった全責任を
論文を読んでもらった専門家たち、ネイチャー及び著名な共著者達に転嫁している。

 更に桑山氏曰く
しかし、報道後、論文を読んだ別の研究者からデータの使い回しや盗用を疑う声が相次ぎました。
論文の共著者や同じ研究分野の専門家などにその指摘について取材を重ねました。
その一方で再現実験を試みている大学の取材も進めていました。
そんな中、理研も調査に乗り出し重大な不備が見つかったわけです。

上記部分に本来記述すべき内容は、
2月初から一カ月強の取材で明確にできた事の具体的記述と
振りかえってみて不十分な点やずれていたと思う点を列挙する
正しい反省の記述である。
しかし全く中身のない表面的記述でごまかしの内容になっている。

それどころか、次に続く文章で、発表段階の見抜けなかった問題に又戻って言い訳
と反省した振り。

私たちは、発表段階で論文の問題点を見抜けませんでした。
限られた時間で論文中のズサンナデータの扱いまで把握するのは容易な事ではありません。
それでも今回の件を教訓として受けとめなければならないと考えています。

桑山氏の記事には反省の中身が全くないのであるが、正しい反省の例が
東北大学大隅典子教授のブログ
大隅典子の仙台通信 の中に示されている。
http://nosumi.exblog.jp/20490818/
 のブログより以下抜粋する。
各種報道機関が事前に取材して一斉にそれに合わせて報道するというスタイルは、不自然さを感じます。
せいぜいが、「先週、先月発表された論文によると……」くらいで良いのではないでしょうか?
科学報道はそういうものである、ということを常識にしてほしいと思います。

 2014年3月29日
http://nosumi.exblog.jp/20518716/ のブログより以下抜粋する。
【論文発表は通過点である】
無事に世の中に論文が出たとしても、その成果の上に次の研究を進める必要があれば、必然的にそのデータや発見の再現性を取ることになりますし、もし他の研究者も面白いと思えば、さらに他の研究室でも再現性を取る実験が為されるでしょう。
そうやって、新たな発見は徐々に確かなものとして定着していくことになります。
ですので、1、2本の論文が出たからといって、「まだまだ本当」かどうかはわからない、というのが科学の世界です。
なので、それをあたかも「決定的」のような科学報道に繋げることは大きな問題といえるでしょう。

更に 桑山氏は 記事の結びに、今後の対応として、
1 再現実験の行方をしっかりフォロー
2 今回の経緯と問題点の詳細の取材と検証
3 科学論文のチェック体制の取材と検証
 の3点を記している。
立派な決意ととる読者も少なからずいると思うが厳しい目でみるとあきれ返る内容。

まず
 3 であるが この分野で記者としてメシを食ってきた人間が科学論文のチェック体制の概略を理解していないのはおかしい。
権威に取材しておんぶにだっこの安直な記者生活を送っており現状把握整理の日常的努力を
怠っているのではないか!

1 についても 再現実験の行方は他のメディアが精力的にフォローすると予想する中で
  朝日新聞だけしないのもまずいので別に宣言するまでもない。

2 の 今回の経緯と問題点の詳細の取材と検証 
 は非常に重要と考えるが
2月中旬〜3月15日までの約1カ月間の朝日新聞取材班の記事から見てほとんど期待できない。
桑山氏が真の反省をできないまま取材班を主導する限り言葉のみに終わるだろう。
権威依存は多くの記事や紙面構成に垣間見える。
一番反省して欲しいのは
疑惑が浮上した2月5日以降の記事が
理研に疑惑が発生した事実を直視できないで
理研のコメントを土台に記事を構成している。違和感の強い記事でイライラがつのり
インターネットや週刊現代などの各種週刊紙を購入して
理研などの科学界の乱れ(閉じた世界に必然)具合の一端に触れる事になる。
権威に依存は安直でプロの仕事ではない。
権威の見を参考にするのは必要だがそれ以上に大切なのは事実。
権威は過去の事象には大きな業績があったかも知れないが、
現在、未来に関しては必ずしも効力を持たない。
理研の迷走を推定する種は2月の早い時点から存在していた。

今後、朝日新聞の他のチームも動員して理研内部の問題も含めて検証して
欲しい。