日展の改革は進むのか? それともごまかしか? 朝日新聞記事より

公益財団法人 日展の審査には多年に渡り
多くの不正や不適切な行為、慣習が行われてきたことが
昨年10月の朝日新聞の報道で表面化した。
日展が改革の方向を4月10日に公表したとの朝日新聞報道が
4月11日にあった。
1面(編集委員・大西若人、山田優)と
33面(社会面)(沢伸也、青木美希)に掲載されているが
改革が正しく進んでいくのかどうかの扱いが全く異なる。
1面の記事は日展の改革が真剣に計画されているとの印象を強く
与える。まるで日展の広報の記事を読んでいるのではと錯覚させる。

33面の記事は「日展審査 残った疑惑」は
標題だけでなく記事内容もしっかり内実をえぐっていて
私の人生経験からこちらが真実に近いと感じる。
記事によると日展の深層のウミは多く残っている。
今後とも日展の実態には注視が必要である。

日展になお多く残っている不正の追及に
朝日新聞には今後とも頑張っていただきたい。

33面の記事 「日展審査 残った疑惑」を
今後の参考の為、以下に引用する。

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日展審査、残った疑惑 実態解明は書道のみ2014年4月11日05時00分
100年以上続く公募美術展「日展」が、不正審査問題で失った信頼を取り戻すため、
「改組新日展」に看板を書き換える改革案を打ち出した。
日展は幕引きを急ぐが、不正審査の実態解明は書道分野にとどまり
、寺坂公雄理事長が所属する洋画など他分野は不十分だ。▼1面参照

 「名前を変える」「組織を変える」。寺坂理事長は10日、東京・上野の日展会館で
記者会見し、冒頭から約15分間、改革案を語り続けた。
だが不正審査には触れず、質問を受けても「何の不正ですか」。
度重なる質問に「それが不正というなら、ないような方向で改革、検討します」。
そして「反省の弁は」と尋ねられ、ようやく「大いに反省しております」と答えた。

 不正審査問題は昨年10月、2009年書道の篆刻(てんこく)の審査で
入選数を会派に事前配分していたことを朝日新聞が報じ発覚。
その後、寺坂理事長が所属する洋画の会派などで、審査員が所属会派の作品を
応募前に指導していた問題などが次々に露見し、
下村博文文部科学相から「徹底的にウミを出し切る努力」を求められた。

 日展は第三者委員会をつくり、書道での不正審査を認定する第1次報告書を
12月に公表する一方、3月に公表した第2次報告書では
書道以外の分野について「不正があったとは認められない」とした。

 しかし、第2次報告書は審査員が入選者から謝金を受け取っていたり、
所属会派の応募作品を事前指導したりしていたという
朝日新聞が指摘した実態について触れていない。
調査目的は、書道入選数の事前配分をスクープした朝日新聞の初報と同様の不正が
他分野であったかを調べることと記されており、
応募作品の事前指導など他の疑惑は調査対象外のように読める。

 第2次報告書をまとめた高崎玄太朗弁護士は朝日新聞の取材に、
調査報告書で事前指導に触れなかったことについて当初は
「(調査)目的は決まっていた」と述べ、調査対象外だったことを示唆した。
2日後に「付随的事項として調査したが、審査に影響が認められなかったので
(調査結果を)記載しなかった」と修正したが、調査の詳細は明らかにしなかった。
(沢伸也、青木美希)-----------------------------------------------------------------